「冬のスイスといえばクリスマス」というイメージが強いですが、実は地元民が一年で最も熱狂するお祭りがあるのをご存知ですか?
それが、冬を追い出し春を呼ぶカーニバル「ファスナフト(Fasnacht)」です。
今回、私はスイス在住の家族に案内され、観光ガイドにはまず載っていないツーク州・バー(Baar)の超ローカルな会場に潜入してきました。
「2月のスイス観光、どこに行けばいい?」「スイスの本当の文化に触れたい」 そんな方にこそ知ってほしい、ガイドブック未掲載のリアルなスイスをご紹介します。
スイスの冬に行われるカーニバル「ファスナフト」とは?
2月後半から3月前半にかけて、スイス各地で開催されるお祭り。
「ファスナフト(Fasnacht)」はドイツ語で”カーニバル”を意味し、キリスト教の慣習で約40日間続く断食期間が始まる前に、思いきり飲み食いや仮装を楽しむお祭りです。「冬の悪霊を追い払い、春を迎える」という意味合いも持ち、スイスでは中世から続く伝統行事として各地で受け継がれています。
特にバーゼル、ルツェルン、ベルンで行われるファスナフトが有名です。
人々は思い思いの仮装をしたり、顔にペイントを施したりして、街を練り歩きます。
子どもから大人までが参加し、パレードでは紙吹雪をまいたり、お菓子を投げたり。
沿道にはたくさんの人が集まり、街全体が明るく賑やかな雰囲気に包まれます。
ツーク州バーの地元カーニバル「レーベ・ファスナフト(Räbefasnacht Baar)」体験記
バーゼルやルツェルンのファスナフトは、数万人規模の観光客が訪れる国際的なお祭りとして知られています。一方、スイス各地ではそういった大きなイベントとは別に、地元の人たちが主役の小さなファスナフトも開かれています。観光地化されていないぶん、よりリアルなスイスの日常に近い雰囲気を感じられるのが魅力です。
私が訪れたのは、ツーク州バー(Baar)という小さな町で行われた「レーベ・ファスナフト(Räbefasnacht)」でした。
「Räbe(レーベ)」はドイツ語でカブ(蕪)を意味し、1947年から続くバー独自のファスナフトの名前です。パレードには「レーベゲウゲル(Räbegäuggel)」と呼ばれる黄色いお面に赤い衣装のキャラクターが登場し、子どもたちがこの仮装をして練り歩く姿がとても可愛らしかったです。チョコレートのお土産にもなっているほど、地元に愛されているキャラクターです。(大切に持ち帰ったのですが、帰国時には鼻が折れてしまいました……)

スケジュールやルートも公式サイト(ドイツ語のみ)で発表されるため、観光で訪れる人には少しハードルが高いかもしれません。
今回は、スイスに住むおばに連れて行ってもらったおかげで、この貴重な体験ができました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催地 | スイス・ツーク州(Kanton Zug)の町「Baar(バール)」 |
| アクセス | チューリッヒ中央駅からS2またはS24で約30分、Baar駅下車 |
| 主な会場 | Baar中心部(Zugerstrasse、Marktplatz周辺) |
| 開催時期 | 毎年2月中旬〜下旬(※年によって変動あり) |
| 主なイベント | ・Fasnachtsumzug(パレード) ・Kinderfasnacht(子どものファスナハト)など |
| 公式サイト | raebefasnacht.ch |
観光客情報:
ファスナフトの期間中は、バーゼルやルツェルンなどの大きなお祭りに向かう仮装姿の人たちを、電車のホームや車内でも普通に見かけます。お祭りの会場でなくても、スイス全体がカーニバルムードに包まれる時期です。
バールへのアクセスはチューリッヒ中央駅からS2またはS24で約30分、Baar駅下車。会場のMarktplatz周辺へは駅から徒歩でアクセスできます。
案内はほとんどドイツ語のみ。
現地の人は車や徒歩で集まる形で、駅からでも混雑具合やルートがつかみにくいです。
見学を考える場合は、事前に公式サイトで時間を確認するか、地元の人に聞いてみるのがおすすめです。
パレードの途中では、紙吹雪を拾って投げ合う子どもたちがあちこちに。
中には紙吹雪ではなく、お菓子やフルーツを配ってくれる参加者もいて、
観客たちは「こっちにちょうだい!」と手を振ってアピールする光景も見られます。
お祭りのあと、道路が紙吹雪でいっぱいになるけれど、
不思議なことに次の日にはすっかりきれいになっています。

ファスナフトに行く前に知っておきたい注意点
日中でも曇っているととても寒く、防寒対策は必須です。
マフラーなどでしっかり防寒するのがおすすめですが、素材によっては紙吹雪がつきやすく、気づけば全身紙吹雪まみれに。
夜に行われたファスナフトでは、機械で紙吹雪をまいていて、その量はまさに圧巻。
紙吹雪が空から降り注ぎ、服の隙間——特に首まわり——からどんどん入り込んできます。
帰宅して服を脱ぐと、服の中から紙吹雪がたくさん出てくるほどでした。
ちなみに私は帰国後、その日履いていたスニーカーの中からも紙吹雪が出てきてびっくりしました。
参加するときは、ぜひ簡単にでも仮装をしてみてください。
雰囲気に溶け込みやすくなり、よりファスナフトの空気を楽しめます。

スイス旅行でファスナフトを楽しむコツとまとめ
ファスナフトは、スイス各地で日程を少しずつずらして開催されています。
街ごとに雰囲気やスタイルが異なるので、
時間や場所を変えて2〜3か所のファスナフトを巡ってみるのもおすすめです。
私にとっても、叔母やいとこと笑い合いながら過ごしたこの日のファスナフトは忘れられない思い出になりました。
まとめ 【スイス旅行完全ガイド】冬〜春の観光・費用・持ち物まとめ
費用の節約術から観光地の穴場スポット、持ち物リストまで、冬〜春のスイス旅行に必要な情報をまとめたガイド記事。
