スイスを旅して誰もが驚くのが、物価の高さ。「せめてお土産代だけでも抑えたい…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんなときに役立つのが、現地の人たちの知恵。実はドイツやフランス、イタリアとの国境近くに住むスイスの人々は、買い出しのために国境を越えるのだそう。国境をひとつ跨ぐだけで物価がガクッと下がる、ヨーロッパならではの裏ワザです。
これは旅行者にとっても絶好のライフハック。今回は、スイス旅のついでに近隣国でお得にお土産を手に入れるコツをご紹介します。

旅程に合わせて、行きやすい国を選べばいい
うれしいのは、「どの国へ行くか」を自分の旅程に合わせて選べることです。イタリア方面を旅しているならイタリアへ、フランス方面ならフランスへ。ルート上でいちばん立ち寄りやすい国を選べば、無理なく買い物に組み込めます。
私の場合はドイツ語圏に滞在していたので、ドイツのコンスタンツ(Konstanz)へ行ってきました。数ある国境の町のなかでも、コンスタンツはとくに行きやすい場所でした。
コンスタンツは、ドイツなのにスイスの駅?
コンスタンツのおもしろいところは、町はドイツにあるのに、駅に乗り入れているのがスイスの鉄道会社SBB(スイス連邦鉄道)だという点です。国境の町ならではの、なんとも不思議な立地です。
この「ねじれ」が、旅行者には思わぬお得につながります。というのも、スイス国内の鉄道が乗り放題になる「スイストラベルパス」で、そのままコンスタンツまで行けてしまうのです。国境を越えるのに追加のきっぷを買う必要がなく、パスの範囲内で移動できる——このお得感は、パスを持っている人にはうれしいポイントだと思います。
お金のこと スイスの通貨はフラン、ドイツはユーロなので「わざわざユーロの現金を用意しないと…」と身構えてしまいますが、実際はスーパーでもカードで払えるので、私はそのままカード払いにしてしまうのが楽でした。
パスポートを忘れずに
コンスタンツへ行くのは、スイスからドイツへ国境を越えるということ。ふだんは検問がないことも多いですが、国境ではパスポートの提示を求められる場合があります。日帰りでも必ず携帯しておきましょう。
買い物は、ドイツの大型スーパーで
コンスタンツでの買い物は、大型のドラッグストアへ。日本のドラッグストアより売り場が広く、食品や日用品、コスメ、お菓子まで幅広く揃っているので、見て回るだけでも楽しめます。私は Müller(ミュラー)や dm(デーエム)を訪れました。


日本でも有名なハリボー(HARIBO)のグミや、Kneipp(クナイプ)の入浴剤・ハンドクリームなども手に入ります。しかも、日本では見かけない味や種類に出会えることもあるので、棚をじっくり眺めるのがおすすめです。
曜日に注意 ドイツの多くのお店は、日曜・祝日はお休みです。「せっかく行ったのに閉まっていた」とならないよう、買い物は平日か土曜に計画しておくと安心です。
実際に何を買った?——2つの楽しみ方
買ってきたものを振り返ると、お土産には2つの楽しみ方があると感じました。ひとつは「日本にない・珍しいものを、人に配って喜んでもらう」楽しみ。もうひとつは「日本でも買えるものを、自分用に安く手に入れる」楽しみです。目的によって選ぶものが変わるので、分けてご紹介します。
日本にない・珍しいもの
人に渡すお土産は、安さより「珍しさ」。日本では手に入りにくい味やブランドが狙い目です。価格は1EUR≒180円換算。
| 商品 | 価格(EUR) | 円換算 | お土産向きの理由 |
|---|---|---|---|
| Trolli ピーチリング(桃グミ・150g)珍しい味 | 1,09 | 約200円 | 桃味のグミは日本の店頭ではほぼ見かけない、Müllerで購入 |
| alverde ハンドクリーム(カレンデュラ)日本では入手困難 | 1,95 | 約350円 | dmの自然派PB。現地のドラッグストア限定 |
| dmBio おやすみ前ハーブティー日本では入手困難 | 1,55 | 約280円 | dmの自社オーガニック。リラックス系の味わい |
とくにグミは、日本のハリボーがゴールドベア(クマ)やコーラ味が中心なのに対して、本場は味のバリエーションが豊富。桃のグミなど「これ日本で見たことない!」というものを選ぶと、配ったときの話のタネにもなります。dm のプライベートブランドである alverde や dmBio は、そもそも日本ではほとんど手に入らないので、現地限定のお土産として喜ばれます。
日本でも買えるけど、現地なら安いもの
人に配るには「日本でも売ってる」のが弱点でも、自分用のご褒美なら話は別。同じものが日本よりぐっと安く買えました。日本価格は時期・店舗で変わります。
Kneipp のバスソルトは、半額以下で買えました。ハリボーのハッピーコーラも、大容量の175gが約210円。日本で同じサイズを買うと倍近くするので、自分用に買うならかなりお得です。人に配るには「日本でも買えるよね」となりがちですが、自分へのご褒美と割り切れば、この価格差は見逃せません。
いちばんの掘り出し物はコレ——ヌテラ ビスケット
今回いろいろ買ったなかで、個人的に「これがいちばんの当たり!」と思ったのが、ヌテラ ビスケットです。じつは話題の商品だとはつゆ知らず、「なんだか美味しそうだし、ずっしり重くて食べ応えがありそう」という直感だけで手に取った一品。帰ってから調べてみたら、SNSでバズっていて日本にも上陸したばかりの人気者だと知って、びっくりしました。サクサクのクッキーは甘さ控えめなのに、中に入った甘いチョコレートがとろっと絡んで……このバランスがもう、やばいです。一度食べたら止まりません。
ヌテラ ビスケット(304g)
日本でも輸入食品店やネット通販で買えるのですが、なんと同じサイズ(304g)で約2,000円。それが本場ドイツなら3.79ユーロ(約680円)と、3分の1ほどのお値段で手に入ります。日本で見て「高い…」と諦めていた人こそ、現地で迷わず手に取ってほしい一品です。
しかも、私が買ったのは写真の「Songs mit n」という限定パッケージ。こうしたデザインに出会えるのも、現地で買う楽しみのひとつです。日本では高くてなかなか手が出ないうえに話題性もあるので、自分用にはもちろん、お土産にしても「知ってる!」と喜ばれること間違いなしです。

※日本の価格は、現地と同じ304gサイズをAmazonで買った場合の目安です。コストコなどの大容量パックだともう少し割安になりますが、それでも本場価格には及びませんでした。ヌテラはイタリア発祥のブランドで、今回はそのビスケット版を旅先のドイツで購入。スイスでもほぼ同じ価格だったので、ドイツ・スイスどちらで買っても本場価格で楽しめます。
番外編:リンツのチョコは、スイスで買うのが正解
ここまで「お隣の国が安い」という話をしてきましたが、ひとつ例外があります。リンツ(Lindt)のチョコレートです。
リンツはスイス発祥のブランド。そのため、じつはスイス国内のスーパーで買うほうが安いのです。標準的な100gの板チョコで、だいたい2.85〜3.30フラン(約570〜660円)ほど。本国だけあって、種類も豊富に揃っています。リンツを狙うなら、無理に隣国で探さず、スイスのスーパーでゆっくり選ぶのがおすすめです。
……とはいえ、夏の旅行だと気になるのが「チョコって、持ち帰るまでに溶けないの?」という問題ですよね。せっかくの高級チョコも、移動中や日本の暑さでとろけてしまっては台無しです。夏のスイス土産に何を選べばいいのか、実際に買って持ち帰ってみた感想は、別の記事にまとめています。 あわせて読みたい スイス土産は何を買う?夏でも安心なおすすめと注意点【本音レビュー】
まとめ:旅程に国境が絡むなら、ぜひお隣の国へ
スイス旅行中、もし国境付近に立ち寄る機会があれば、お隣の国まで少し足を伸ばしてみてください。現地の人たちが日常的に利用している買い物スポットなら、旅行者もヨーロッパならではのお土産を、お得な価格で見つけられるかもしれません。
ポイントは、「珍しいものは人へのお土産に」「安いものは自分用に」と使い分けること。両方の楽しみを一度に味わえるのが、国境越えショッピングの魅力です。ドイツ語圏を旅するなら、SBBでそのままアクセスできるコンスタンツがおすすめ。駅前だけでもスーパーやドラッグストアが充実しているので、スイス旅行の日帰りプランにも気軽に組み込めます。