スイス旅行を計画していると、真っ先に気になるのが交通費の高さだと思います。チューリッヒからベルン、ルツェルンへの移動だけでも、個別に切符を買うとかなりの金額になります。
そこで私が選んだのがスイストラベルパスです。個別にチケットを買う手間と、交通費が増える心配をせずに観光できるのが決め手でした。鉄道・バス・船が乗り放題になるパスで、通常版とフレックス版の2種類があります。
この記事では、SBBの公式サイトでの購入手順を解説します。購入の流れは通常版・フレックス版で共通です。私が実際に購入したのはフレックス8日間(2等・大人)なので、フレックス特有の注意点もあわせて紹介します。

スイストラベルパスとは
スイストラベルパスは、スイス国内の鉄道・バス・船が乗り放題になる観光客向けのパスです。スイス連邦鉄道(SBB)が運営する交通網のほか、チューリッヒやベルンなど90以上の都市内の公共交通も対象に含まれます。さらに500以上の美術館・博物館への無料入場、登山鉄道・ケーブルカーの割引といった特典もついています。
個別に切符を買うと高額になりがちなスイスの交通費を、パス1枚でカバーできるのが最大のメリットです。
スイストラベルパスとフレックスの違い
まず基本をおさえておきましょう。スイストラベルパスには通常版とフレックス版の2種類があります。
| スイストラベルパス(通常) | スイストラベルパスフレックス | |
|---|---|---|
| 使い方 | 連続した日数 | 1か月以内に好きな日を選んで使う |
| 向いている旅程 | 毎日移動する密度の高い旅 | 観光とゆっくり滞在を組み合わせる旅 |
| 日数の選択肢 | 3・4・6・8・15日間 | 3・4・6・8・15日間 |
私がフレックスを選んだ理由
スイストラベルパスには連続使用の通常版と、有効期間内で使う日を選べるフレックス版があります。私が選んだのはフレックス版です。
まず通常版は早い段階で候補から外しました。私の旅程にはスイス国外(リスボン)へ出る日や、現地でゆっくり過ごす日が含まれていて、毎日移動するわけではありません。連続版だと使わない日も有効期間が進んでしまうため、私のような旅程には向いていませんでした。
残るフレックスと個別チケットで迷ったときは、「何日くらい移動するか」を数えるところから始めました。フレックス8日間2等はCHF 459。これを8日で割ると、1日あたり約57CHFです。つまり1日の移動費がこの57CHFを超える日が多ければ、パスのほうが得になる計算になります。スイスの鉄道や船は運賃が高いので、観光や移動でしっかり動く日は、このラインを超える日がほとんどでした。
もうひとつフレックスにした決め手が、予定の柔軟さです。スイスでは天候や現地の都合で、出かける日と滞在する日が直前まで変わることがあります。連続版だと「この日からこの日まで」と固定されてしまいますが、フレックスなら実際に動く日を当日決めて使えます。私の旅程のように、移動する日とのんびり過ごす日が混ざっていて、しかも直前まで変わる可能性がある場合は、フレックスがぴったりでした。
自分の旅程で確認してみる
ここまで私がフレックスを選んだ判断を紹介してきましたが、パスがお得になるかどうかは旅程によって変わります。スイスの旅程がある程度決まっている方は、SBB公式の適用範囲マップで、実際に乗りたい区間がパスの対象になっているかを確認してみましょう。
▶ SBB公式 適用範囲マップ
▶スイストラベルパスのサイト←地名で検索可(Swiss Travel Pass area of validityでチェック)
鉄道・バス・船といった基本的な公共交通機関は、ほとんどがパスの対象に含まれています。一方で、山岳地帯のロープウェイや登山鉄道は、無料になる区間と、割引にとどまる区間(25〜50%割引)に分かれています。
たとえば、人気の2つの山を比べるとこの違いがよくわかります。
スイストラベルパスでの扱いの違い
同じ人気の山でも、無料と割引に分かれます
マップの線の見方
※ 麓までの無料区間と山頂への割引区間の正確な境目は、SBB公式の適用範囲マップでご確認ください。山岳鉄道の割引率は区間により25〜50%に分かれます。
同じ「山に登る鉄道」でも、リギ山は麓から山頂までパスで無料、ユングフラウヨッホは麓までは無料でも山頂への登山鉄道は25%割引にとどまります。費用を抑えたい場合は、無料で登れる山を選ぶというのも一つの考え方です。
マップの使い方
このマップは、スイスの地名に馴染みがないと、自分の行きたい場所が地図のどこなのか分かりにくいです。私も最初は使いづらく感じました。
おすすめは、Googleマップと見比べながら使う方法です。行きたい場所をGoogleマップで探して位置を確認し、この適用範囲マップの同じあたりを拡大して、その区間の線が何色かを見ます。慣れると、自分のルートが無料か割引かをひと目で判断できるようになります。
ご自身の行きたい場所がどちらに当たるかを確認したうえで、スイストラベルパスを使ってお得になりそうか判断できるとよいと思います。
価格(2026年・SBB公式)
料金は日数・クラス・通常版かフレックス版かによって異なります。なお、グレッシャー・エクスプレスやベルニナ・エクスプレスなどのパノラマ列車はパスで乗車できますが、座席予約と指定席券は別途料金がかかります。
また、スイスの列車には1等と2等があり、2等でも十分快適に移動できます。SBB公式サイトに掲載されている2026年の料金はこちらです。
| 期間 | 1等 | 2等 |
|---|---|---|
| 3日 | CHF 405 | CHF 254 |
| 4日 | CHF 492 | CHF 309 |
| 6日 | CHF 634 | CHF 399 |
| 8日 | CHF 697 | CHF 439 |
| 15日 | CHF 787 | CHF 499 |
※ 表示されている料金は現在の暦年度のものです。
| 期間 | 1等 | 2等 |
|---|---|---|
| 3日間(1か月以内) | CHF 461 | CHF 289 |
| 4日間(1か月以内) | CHF 555 | CHF 349 |
| 6日間(1か月以内) | CHF 674 | CHF 424 |
| 8日間(1か月以内) | CHF 729 | CHF 459 |
| 15日間(1か月以内) | CHF 819 | CHF 519 |
※ 表示されている料金は現在の暦年度のものです。私が購入したのは8日間2等(CHF 459)。
今回私が購入した8日間2等はCHF 459。購入時のレートが1CHF=200円だったので、日本円換算で約91,800円でした(為替手数料はカード会社により異なります)。
為替レート|購入のタイミングについて
スイスフランは日本円に対して高い水準が続いていて、なかなか下がりません。私は購入の3〜4か月前から、気づいたときに為替をチェックする習慣をつけていました。「200円を切ったら買う」と決めていたのですが、実際には上がる一方で、渡航の約1か月前に200円ちょうどのタイミングで購入を決めました。
ベストなレートを狙い続けるのも難しいので、「このくらいなら納得できる」というラインを決めておいて、そこに達したら買うというやり方がおすすめです。
購入前に知っておくこと
対象は「スイス国外の居住者」のみ
スイストラベルパスは、スイスおよびリヒテンシュタイン公国に居住していない方を対象にした観光客向けのパスです。日本在住であれば問題なく購入できます。カート画面にもチェックボックスで確認があります。
パスポートと一致する個人情報が必要
購入時に旅行者の名前と生年月日を入力します。実際に使う際は検札時にパスポートに記載されている名前と完全に一致するよう入力してください。
サイトは日本語対応
購入ページは日本語で表示されます。迷わず進められるので安心してください。
通常版とフレックス版でチケットの扱いが違う
通常のスイストラベルパスの場合、購入完了後にQRコード付きのPDFがメールで届きます。これがそのままチケット本体なので、スマートフォンに保存するか、日本を出発前に印刷しておくだけでOKです。
⚠️ フレックス版は「有効化」が必要です
メールで届くのはチケットではなく購入確認書です。乗車前に使いたい日付を activateyourpass.com で有効化する必要があります。有効化は当日の乗車前でOKですが、忘れると検札で困るので注意してください。有効化後はスマートフォンで直接提示するのが一番スムーズです。
印刷という選択肢もありますが、スイスにはコンビニがなく、日本のように気軽には印刷できません。チューリッヒ中央駅構内にコピーショップ(Copyprint)はありますが、わざわざ立ち寄る手間を考えると現実的ではないかもしれません。日本出発前に確認書を印刷しておくのは万が一スマホが使えなくなったときの保険にはなりますが、あくまで補助として考えておくのがよさそうです。
SBB公式サイトでの購入手順
購入はSBBの観光客向け公式ショップ swissrailways.com から行います。
STEP 1|サイトにアクセスする
swissrailways.com にアクセスします。SBBとスイス政府観光局が共同運営している公式の購入窓口です。「スイストラベルパス」と検索すると出てきます。
STEP 2|スイストラベルパスを選択する
トップページまたはメニューから「スイストラベルパス」 または「 スイストラベルパスフレックス」の場合はを選択します。
STEP 3|日数・クラス・旅行日を入力してカートへ
以下の項目を選択します。右側に金額がリアルタイムで表示されるので確認しながら進められます。「旅客はスイスまたはリヒテンシュタインの居住者ではありません」のチェックを入れてカートに進みます。
お客様のデータ
選択内容
※「旅行日」は有効期間の起算日です。基本的にはスイス到着日を入力すればOK。私は搭乗日(出発日)を入力しました。
STEP 4|キャンセルオプションを選ぶ
「キャンセル保険なし(CHF 0)」と「フレックスキャンセル(CHF 19)」の2択が表示されます。旅程が確定しているなら保険なしで十分です。直前まで予定が変わる可能性がある場合はフレックスキャンセルを検討してみてください。
「キャンセル保険なし(CHF 0)」と「フレックスキャンセル(CHF 19)」の2択が表示されます。保険なしでも手数料を払えばキャンセルできるので、私は保険なしを選びました。旅程が直前まで変わる可能性がある場合はフレックスキャンセル(CHF 19)を検討してみてください。
※私は旅程が確定していたのでキャンセル保険なし(CHF 0)を選択しました。直前まで旅程が変わる可能性がある方はフレックスキャンセル(CHF 19)も検討してみてください。
STEP 5|旅行者情報を入力する
名前と生年月日を入力します。パスポートの記載と一致していることを必ず確認してください。
STEP 6|支払い方法を選んで決済する
Visa・Mastercard・American Express・ダイナースクラブ・Alipay・Google Pay・Apple Payが使えます。私はApple Payで支払いました。
STEP 7|メールを受け取る
購入が完了すると、登録したメールアドレスにPDFが届きます。通常版はQRコード付きのチケットがそのまま届くので、スマートフォンに保存するか印刷して持参するだけでOKです。フレックス版の場合は購入確認書が届きます。これはチケットではないので、乗車前に使いたい日付を有効化する手続きが必要です。有効化の手順はメール内のリンクまたはSBB公式サイトで確認できます。
まとめ|購入前のチェックリスト
SBBの公式ショップはスイス連邦鉄道が運営する直接の購入窓口なので、安心して利用できます。購入後すぐにメールが届くため、旅行直前のタイミングでも対応できます。
- パスポートを手元に用意する(名前・生年月日の入力が必要)
- 有効期間の起算日を決めておく(基本はスイス到着日でOK)
- 為替レートを事前にチェックしておく
- 支払い方法を確認しておく(Visa・Master・Apple Pay等)
購入方法自体は難しくなかったですが、乗り放題になる範囲、登山鉄道で含まれるところはどこなのか、美術館、博物館での利用方法など詳しくわからない点がまだあるので実際にパスを使ってどうだったかや、どのルートで何日分使ったかについては別記事でまとめる予定です。
まとめ 【スイス旅行完全ガイド】冬〜春の観光・費用・持ち物まとめ
費用の節約術から観光地の穴場スポット、持ち物リストまで、冬〜春のスイス旅行に必要な情報をまとめたガイド記事。