海外旅行保険、“全部盛り”にしていませんか?スイス旅行で保険料を最適化した話


海外旅行保険にいざ入ろうとすると、補償項目がずらっと並んでいて「どれを選べばいいの?」と迷いますよね。かといって、不安だからと全部を手厚くすると保険料はどんどん上がっていく。でも、どこを削っていいのか分からないから、結局そのままの内容で申し込んでしまう……という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、必要な補償はしっかり残しつつ、無駄なところを削って保険料を抑えた過程をまとめます。「少しでも安くしたいけど、削り方が分からない」という方の参考になれば嬉しいです。

スイス旅行で訪れた青空と教会の時計塔のある街並み

そもそも、なぜ海外旅行保険が必要なの?

「どうせ何もないかも」と思う気持ち、すごく分かります。実際、何事もなく旅行が終わることの方が多いですし、私自身もそう思っていました。それでも入っておくことをおすすめするのは、いざという時の医療費が、日本の感覚とはまるで違うからです。

スイスは物価も高いけれど、医療費も高い

スイスは物価が高いことで知られていますが(スイスの物価についてはこちらの記事にまとめています)、医療費もまた、日本の感覚では驚くほど高い国です。

というのも、スイスには日本のような公的な国民皆保険がなく、国民一人ひとりが民間の保険に加入する仕組みになっています。スイスに住む叔母に聞いたところ、民間の保険に入っていても「いくらまでが自己負担か」が決まっていて、歯の治療で数万円かかったと聞いて驚きました。歯の治療でそれだけかかるのか、と。

日本では数千円で済むことも、海外では全額自己負担

「でも、日本でも治療によっては高いこともあるよね?」と思うかもしれません。たしかに、インプラントやセラミックといった自由診療は、日本でも高額になります。

ただ、日本では健康保険が使える一般的なケガや歯の治療なら、数千円〜数万円で済むことが多いですよね。ここが大きなポイントで、問題は、海外ではその日本の健康保険そのものが使えないということなんです。

つまり、日本なら保険が効いて数千円で済むような治療でも、海外では全額自己負担になってしまう。日本の感覚のまま保険に入らずに行って、旅行中にケガをしたり、急に歯が痛くなって病院にかかると、思いがけず高額な治療費を請求される——ということが起こり得ます。

保険は「安心を買う」もの。だからこそ最適化する

とはいえ、何もなければ払って終わり、というのも事実です。だからこそ私は、保険は“安心を買う”ものだと考えることにしました。何かあったときの数十万〜数百万円のリスクを、数千円で肩代わりしてもらえる。そう思えば、決して高い買い物ではありません。

何もないに越したことはありません。でも、何もないとただ払って終わりで、少しもったいない気もしますよね。だからこそ、自分に必要な補償だけに絞って、価格を抑えるのがおすすめです。むやみに手厚くするのではなく、自分に合わせて最適化する。ここからは、私が実際にやった手順を紹介します。

私がやった、保険料を抑える4ステップ

私は「たびほ(t@biho)」で契約しました。たびほは補償項目を自分で選んでカスタマイズできるので、「何が必要で、何が不要か」を考えながら組み立てられます。ここを丁寧にやると、保険料はぐっと抑えやすくなります。

① まず、クレジットカードの付帯保険を確認する

最初にやってほしいのが、自分の持っているクレジットカードに海外旅行保険が付いていないかを確認することです。付いていれば、その分を旅行保険で重複させる必要がないので、その分を削れます。

私のカード(一般カード)には、傷害死亡——つまり、ケガ(事故)が原因で亡くなった場合の補償——が1,000万円付いていました。

※クレジットカードの付帯保険は、カードの種類やランクによって内容が大きく違います。「私のカードにはこれが付いていた」というのはあくまで一例なので、ご自身のカードの内容は必ず確認してくださいね。

② 重複する補償を削る

クレカで傷害死亡1,000万円が確保できていたので、たびほの傷害死亡・後遺障害を、初期設定の3,000万円から1,000万円に下げました

ここで一つ、大事な注意点があります。死亡補償を下げても、ケガや病気の“治療費”が減るわけではありません。 治療費は「治療・救援費用」という別の枠でしっかり確保しているので、旅行中に病院にかかる費用への備えはそのままです。この2つは混同しやすいのですが、まったくの別物。「死亡補償を削ったら、病気になったとき保険が効かないのでは?」という心配はいりません。

(なお、病気が原因で亡くなった場合の「疾病死亡」はクレカには付いていなかったので、こちらはたびほ側で確保しています。)

③ 足りない補償を足す

一方で、私のカードには携行品損害——持ち物が盗まれたり壊れたりしたときの補償——が付いていませんでした。一眼レフやパソコンを持っていくので、ここは旅行保険で加えることにしました。

携行品補償で知っておきたいのが、「1点(1つ)あたり10万円まで」という上限があること。どんなに高価な物でも、1つにつき10万円までしか出ません。

「じゃあ10万円で十分では?」と思いますよね。でも、そうではないんです。というのも、守りたい高額品が複数あれば、その分だけ積み上がっていくから(カメラ10万円+パソコン10万円+……という具合)。総額を高くしても、使われない枠にお金を払うことになるので、“持ち物の中で、本当に守りたい高額品が何点あるか”で決めるのがコツです。

私はカメラ・パソコン・スマホなど、盗まれたり壊れたりしたら困る物を数えて、50万円ではなく30万円で十分と判断しました。

もう一つ、たびほの携行品補償には「スマホ補償対象外型」という、スマートフォンだけを補償から外して保険料を抑えたタイプがあります。AppleCareやキャリアの端末保証など、スマホを守る別の保険にすでに入っている人は、この「対象外型」を選べば重複を避けられて合理的です。私はスマホに何も保険をかけていなかったので、スマホも含めてカバーされる通常のタイプを選びました。ご自身がどちらに当てはまるか、一度確認してみてくださいね。

④ 残りの項目を見直す

そして、いざという時に本当に効く補償は、絶対に削らない。私の場合はこうしました。

スイスでハイキングするなら知っておきたい、“危険なスポーツ”のこと

スイスはハイキング天国です。私が行くリギ山も、登山電車やロープウェイで気軽に登れて、そこから絶景の中を歩けるコースが整っています。せっかくなら山も歩きたい、という方は多いはず。

ここで一つ気をつけたいのが、海外旅行保険には「危険なスポーツは補償対象外」というルールがあること。「登山」と聞くと、ハイキングも対象外なの?と不安になりますよね。私も気になって調べてみました。

結論から言うと、多くの海外旅行保険で補償対象外になる「山岳登はん」とは、ピッケル・アイゼン・ザイルなどの登山用具を使う本格的な登山のことを指すようです。一方で、道具を使わない一般的なトレッキングやハイキングは「危険なスポーツ」に該当せず、きちんと補償される——というのが、各社に共通する考え方でした。

なので、リギ山のように登山電車で登れて、そこから歩くようなハイキングであれば、まず問題なく補償の対象になります。ただし、氷河ハイキングや本格的な岩場など、専用の装備が必要なアクティビティを予定している場合は対象外になることがあるので、心配なときは事前に保険会社に確認しておくと安心です。

そしてもう一つ。スイスの山岳救助(ヘリコプターでの搬送など)は、高額になることがあると言われています。ハイキング中に足をくじいて動けなくなった、というようなケースでも、山では救助が必要になることがありますよね。「治療・救援費用」の“救援”は、こうした救助や捜索にかかる費用もカバーしてくれる部分です。私が治療・救援費用を無制限にしたのは、スイスの医療費の高さに加えて、こうした山での「もしも」も考えてのことでした。

結果:13,240円 → 10,900円に

たびほが最初に出してくれたおすすめプランのままだと13,240円でしたが、そこから自分に合わせて項目を見直した結果、10,900円になりました。差は2,340円です。

実際に選んだ補償内容を、最初のおすすめプランと並べて表にまとめました。削ったところ・残したところ・足したところが、一目で分かると思います。

補償項目 最初のおすすめプラン 私が選んだ額 ひとこと
治療・救援費用無制限無制限スイスの医療費・山岳救助に備えて維持
緊急歯科治療費用10万円10万円欧州の歯科は高額。急な歯痛に備えて
個人賠償責任1億円1億円万一の賠償に備えて維持
携行品損害50万円(スマホ対象外型)30万円(スマホ込み)1点10万円上限。守りたい高額品の数で調整
航空機寄託手荷物遅延10万円10万円ロストバゲージ対応
テロ等対応保険金(日額)1万円1万円昨今の情勢を考えて維持
弁護士費用等100万円100万円
日本語ガイド等費用100万円なし入院時などの通訳・ガイド手配費用。今回は見送り
傷害死亡3,000万円1,000万円クレカ付帯と重複するので減額
傷害後遺障害3,000万円1,000万円同上
疾病死亡1,000万円1,000万円クレカ対象外なので維持
航空機遅延費用なし2万円長距離&乗り継ぎ便に備えて追加
旅行中断費用なし20万円途中帰国のリスクに備えて追加
旅行キャンセル費用なしなし出発直前なので見送り
合計保険料13,240円10,900円−2,340円

※これはあくまで私の場合の選択です。必要な補償は人によって違うので、ご自身の状況に合わせて調整してくださいね。特に携行品の「スマホ補償対象外型」は、スマホに別の保険(AppleCareなど)がある人向けの選択肢です。

金額としては大きくないかもしれません。でも、旅行前って何かとお金がかかるもの。ランチ1回分くらいでも、少しでも節約できると嬉しいですよね。

まとめ

海外旅行保険は、「全部盛りにしておけば安心」ではなく、“自分に必要な分だけ”に最適化するのがおすすめです。ポイントを整理すると——

  1. クレカの付帯保険を確認して、重複を削る
  2. 足りない補償だけを足す(携行品は「1点10万円 × 守りたい品数」で考える)
  3. 治療・救援費用など、いざという時に本当に効く補償は削らない

何もないに越したことはありませんが、もしものときの安心を、無駄なく手に入れられたら一番ですよね。たびほのように自分でカスタマイズできる保険なら、「何が必要で何が不要か」を考えるだけで、補償の質を落とさずに価格を抑えられます。

スイス旅行の準備全般については、こちらの記事にまとめています。あわせてどうぞ。

Kana
この記事を書いた人

Kana

イタリアとスイスを中心に、旅と写真のことを綴っています。12年続けている写真と、実際に現地を旅した経験をもとに、「知っておくと安心」な旅の情報をお届けします。

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