イタリア周遊の正解は?ユーレイルパスという「自由への切符」と旅のゆとり


イタリア旅行の移動、個別に切符を買うべきか、ユーレイルパスを使うべきか……。

私も出発前、どちらがお得になるか何度も計算しては頭を抱えていました。正直、イタリア国内だけを巡るなら、個別で買うのが最安かもしれません。

でも、今回の『スイスとイタリアの2カ国周遊』というルートにおいて、私が出した答えは圧倒的にユーレイルパスでした。

そこには、単なる金額の損得だけでは測れない『自由』と、万が一のトラブル(ストライキや遅延)を笑って過ごせる『安心』という大きな価値があったからです。

この記事では、チューリッヒを拠点にローマ、ヴェネツィア、ミラノを巡った私の実体験をもとに、後悔しないパスの活用術をまとめました。

『安さを選んでハラハラするか、パスを持ってその時の気分で移動するか』。迷っているあなたの判断基準になれば嬉しいです。

安さを選んで変更不可の切符にハラハラするか、
パスを持ってその時の気分で移動するか。
私が2カ国以上の旅で後者を選んだ理由を、リアルな費用感と共にお伝えします。

【比較】個別チケット vs ユーレイルパスの決定的な違い

私が今回のイタリア旅で、あえて少し割高な『ユーレイルパス』を選んだ理由は、単なる移動手段としてだけでなく『予定変更の自由』と『トラブルへの保険』として考えたからです。

実際に使ってみて感じた、個別購入とのリアルな違いを比較表にまとめました。

特徴ユーレイルパス(グローバル)早割チケット(個別購入)
予定変更柔軟。アプリで予約を取り直すだけ(※指定席券は買い直し)不可、または高い手数料
遅延・運休次の便にすぐ振替可能手続きが面倒なことが多い
精神的余裕「いつでも乗れる」という安心感「乗り遅れたら終わり」というプレッシャー
価格一定(高めだが安定)運次第(直前は非常に高い)

※補足:最安を狙うなら「イタロの早割」ですが…… 
予定が完全に決まっていて、3ヶ月以上前に予約できるなら、私鉄Italo(イタロ)の早割切符がイタリア鉄道移動の最安ルートです。

ただし注意したいのが、「変更可能」などのオプションです。

  • 最安切符: 変更・払い戻し不可。遅延やミスで乗れなければ買い直し。
  • オプション追加: 変更可能にするだけで料金がどんどん跳ね上がり、結局はユーレイルパスの1日あたりの金額と変わらなくなることも。

「ガチガチの予定で安さを貫く」か、「数千円の差で自由と安心(パス)を手に入れる」か。ここが運命の分かれ道です。


高速列車(フレッチャロッサ)も予約なしで乗れるの?

いいえ、別途「座席指定券(13€)」の購入が必須です。 
ここが最大の注意点です。パスを持っていても、高速列車に乗る際はアプリなどで事前に予約(追加料金)が必要です。そのため「完全に自由自在」というよりは、「指定席代さえ買い直せば、どの便にも振り替えられる柔軟性がある」と考えるのが正確です。

ストライキや遅延で指定便に乗れなかったら、指定席代はムダになる?

基本的には無料で次の便へ振り替えられます。 イタリアでは窓口で交渉すれば、追加料金なしで代替便の指定席を発券してもらえます。
万が一、その日に移動を断念した場合でも、後日返金申請が可能です。「指定席代(約2,000円)を失うリスク」と「チケット代(数万円)を失うリスク」、どちらが自分にとって許容できるかを考えるのがポイントです。

イタリアの高速列車フレッチャロッサ(Frecciarossa)と駅のホーム
イタリアの高速列車フレッチャロッサ(Frecciarossa)

実践!デジタル版の「打刻(有効化)」を忘れずに

ユーレイルパスは、駅の黄色い機械でガチャンと打刻する必要はありません。その代わり、乗る直前にアプリで「どの列車に乗るか」を選択し、チケットを有効化(オンに)する作業が必須です。

これを忘れて乗ってしまうと、パスを持っていても
「無賃乗車」とみなされて罰金の対象になることも……。

「駅の機械を探す手間」は省けますが、「乗る前にスマホでポチッと有効化」。これだけはユーレイルパス旅のルーティーンとして覚えておきましょう!

ユーレイルパスのアプリ画面。乗車する列車を選択し、右側のスイッチで有効化する操作手順

乗る列車が決まったら、右側のスイッチをポチッとオンに。
(赤丸のスイッチをオンにすると、QRコードが表示されるようになります)
これがデジタル版の『打刻』になります。スイッチが黄色になっていればOKです!

こんな人には「ユーレイルパス」がおすすめ!

  • ストライキ遅延でハラハラしたくない人
  • 「明日は天気が良いから隣の街まで行こう」と気分で動きたい人
  • 2カ国以上の国境をまたぐ移動がある人
  • 各駅停車でイタリアの小さな街をぶらり旅したい人
  • 自販機の操作や、乗車前の『打刻』が面倒(不安)な人

結論:ユーレイルパスは「旅のゆとり」への投資

ユーレイルパスは、単なる「移動のための切符」ではありません。

  • ストライキや遅延に振り回されたくない
  • 「次はどの街へ行こう?」という自由を現地で楽しみたい
  • 複雑なチケット購入や打刻のルールから解放されたい

もしあなたがそう願うなら、数百円・数千円の差額を払う価値は十分にあります。

確かに、3ヶ月前から予定を固めて「イタロ」などの最安切符を狙うのが、数字上のコストは最小限です。でも、現地でふと見つけた素敵な街に寄り道したり、駅のバールでゆっくりワインを楽しんでから一本後の列車に乗る……そんな「数字に表れない贅沢」を叶えてくれるのが、このパスの本当の魅力。

「効率」よりも「心地よさ」を大切にしたい大人な旅にこそ、ユーレイルパスという選択肢を心からおすすめします。

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《この記事を書いている人》
 Kana

青い光の中で一眼レフを構えている人